三井住友カードが米国Dynamics Inc.と提携し、世界初の「ロック機能付きクレジットカード」を2018年に発行することが発表されました。「ロック機能付き」という時点で既に、セキュリティが強固なイメージが湧いてきますね。
また、2018年2月にはJCBが「生体認証システム」による決済や本人認証の実証実験を2月にJCB青山本社で実施することも発表しています。
若干、畑違いではありますが今後、普及するであろう2つのサービスの特徴とメリット・デメリットになりうる事項を簡単にまとめてみました。
ロック機能付きのカードの特徴
三井住友カードが発行するロック機能付きカードは、LEDボタン、ON・OFFボタン、番号を入力するボタン、液晶が搭載されており、電源を入れて設定したロック解除番号を入力する事で決済ができるようになります。
ロック解除番号はカード受取後に4~8桁のパスワードを2回入力するだけです。Web上での本人認証手続き等が不要なので簡単に設定することができます。
尚、ロックの解除番号は、カード決済時に利用する4桁の暗証番号とは別物です。
メリット
メリットは、なんと言ってもセキュリティ面でしょう。
例えカードの盗難に遭ったとしても、ロック解除番号さえ分からなければ決済ができません。世界初の機能なのでカード単体では間違いなく最高水準になるでしょう。
また、ロック機能付きカードはインフラ整備の必要がないことも魅力です。当然といえば当然ですね。利用する店舗側に新たな機器等が必要になれば、世界最高シェア率のVISAブランドも意味がなくなってしまいます。
デメリット
反面、デメリットになる可能性として考えらるのは、手間・電池切れのリスクと年会費・再発行の手数料です。
買い物のたびに電源を入れてロック解除番号を入力するのは面倒に感じると思います。
また、電池切れは考えられないですが、従来のクレジットカードより更新の間隔が短くなる可能性はあると思います。気がつけば有効期限切れなんてことも起こりえます・・・
更に、開発・維持費も通常のカードよりは掛かっていると思われるので、年会費だけでなく磁気不良や紛失時の再発行手数料が高くなる可能性は大いにあります。
そうなると、失くすのが怖くて持ち歩く人が少なくなるかもしれませんね・・・
手のひら認証の特徴
話は変わりますが、JCBが手のひらで決済できる生体認証システムの実証実験を2018年2月に行います。
手のひら認証とは、スマホで手のひらを撮影しクレジットカード等の情報を登録。後は、決済時に手のひらをかざすだけなので、手ぶらで決済を行えるという革新的な技術です。
経済産業省が推し進める「おもてなしプラットフォーム(Touch & Pay等)」は、類似したサービスで東京オリンピックが行われる2020年の普及を目指している為、JCBとしても目安として考えているのではないでしょうか。
メリット
メリットは、なんと言っても手ぶらで決済ができることです。
それにより、クレジットカード自体を持ち歩かなくなる為、スキミングや盗難による不正利用被害を大幅に減らすことができます。
また、クレジットカードだけでなくポイントカードやチケット・電子マネー等にも利用機会を広げることで、レジや改札等の待ち時間から解放される世の中が来るかもしれません。
更には、かざすだけで手続きを終えられる為、スマホ等の操作が苦手な年配の方でも利用しやすく変化を苦手とする日本人でも受け入れやすいのではないでしょうか?
デメリット
反面、デメリットとしてはセキュリティ上の懸念です。
手のひら認証は、ユニバーサルロボット株式会社の「可視光手のひら認証技術(掌紋検索+静脈認証)」というものを利用し、他人を受け入れる確率(誤認率)を1000億分の1まで低下させる世界最高レベルの認証精度です。
ただ、1000億分1でも誤認率があると考えれば少し不安になる気もしますね・・・
ですが、新サービスを立ち上げる上でセキュリティ面の課題は避けて通れませんし、万が一なんてあってはならないこと。企業側が利用者よりも深く考えているのは明白なので、そいうった意味では安心できます。
まとめ
以上、2018年に発行される三井住友カードの「ロック機能付きクレジットカード」と2020年までに普及しそうなJCBの「手のひら認証」についてまとめてみました。
仮想通貨・AI・手ぶら決済等、次から次に新しい技術が生まれていきます。素晴らしいと思う反面、時代に取り残されるかも・・・と不安に思う時もあります。
平凡な日常生活を送っている私ですが、常に進化し続ける技術について自分の興味のある部分だけでも勉強していく努力が必要だなぁと改めて感じました。
コメント