三井住友カードがGMOペイメントゲートウェイ、ビザ・ワールドワイド・ジャパンと協業して「stera pack」という決済端末やサービス・販促ツールをまとめて導入できるサービスを提供しています。

月額料金3,300円で、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済や、おみせポケットという顧客との橋渡しやリピート率を効率的にアップさせるためのツールが使用できる為、一度、使い始めたらやめられなくなるサービスです。
では、他社との具体的な違いはなんなのか?
メリット・デメリット踏まえ、この記事で徹底的にまとめます。
stera terminalとstera mobileの違い
steraのサービスは、以下のように複数あり「stera pack」は月額3,300円で①~④までのサービスが使用できます。

2022年6月1日より開始された「お試しプラン」であれば、利用開始月を含む13か月間(14カ月目以降自動でスタンダードプランへ変更)、3,300円の料金はかかりませんが、VISA、MasterCardの手数料が一律3.25%とスタンダードプランよりも高くなります。
また、決済端末はterminal端末とmobile端末の2種類が用意されており「stera pack」、「stera terminal単体」、「stera mobile単体」で契約した時の違いは以下のようになります。
stera pack | stera termial単体契約 | stera mobile単体契約 | |
---|---|---|---|
端末代金 | 98,670円 | 91,300円 | |
初期費用 | 0円 | 98,670円 | 91,300円 |
月額料金 | 3,300円 | 無料 | 無料 |
通信料月額 | 693円(LTEを契約する場合) | 990円(必須) | |
レシート印刷機能 | ○ | ○ | |
ロール紙 | 無料 | 無料 | |
POSレジアプリ連携 | pos+のみ | 連携不可 | |
サイズ | L:266 | L:175.7 W:78 高さ:58mm |
|
※stera packのお試しプランであれば、利用開始月を含む13ヶ月間は3,300円の料金が無料になります。 ※terminal端末の代金及び初期費用は本体価格(87,000円)+電子サインペン(2,700円)に税金を考慮した金額です。 |
stera packと他社とのスペック比較
「stera pack」はレシート出力機能がついたターミナル端末が売りで、競合としては、Square株式会社の「Square Terminal」、JMSの「VEGA3000」があり、違いは以下のようになります。
決済サービス | Square | JMSおまかせサービス | stera pack |
---|---|---|---|
端末名 | Square Terminal | VEGA3000 | Stera Terminal |
端末代金 | 46,980円 | 65,780円 | 98,670円 |
初期費用 | 46,980円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 無料 | 無料 | 3,300円 |
スマホ・タブレット | 不要 | 不要 | 不要 |
LTE | 無(固定回線要) | 693円/月 | 無(光回線要) |
レシート印刷機能 | ○ | ○ | ○ |
ロール紙 | 2,487円(20巻) | 2,618円(10巻) | 無料 |
審査 | 即日 | 4週間 | 1.5~2ヶ月 |
POSレジアプリ連携 | 〇 | △ | 有料 |
分割・リボ払い | 不可 | ○ | ○ |
振込日 | 翌営業日 | 月6回 | 月6回 |
常時電源接続 | 不要(持ち運び可) | 不要(持ち運び可) | 必要 |
サイズ | L:142.2 W:86.4 高さ:63.5mm | L:168 W:78 高さ:67mm | L:266 W:108 高さ:100mm |
※「VEGA3000」の端末代金はSB Payment Serviceの情報を参考にしています。 ※「 stera terminal」の端末代金は本体価格(87,000円)+電子サインペン(2,700円)に税金を考慮した金額です。 |
「stera terminal」の端末代金は98,670円と最も高額で、開発はパナソニックが行っており、OSにAndroidを搭載、更に山型のデザインで、店舗側、利用客側の両方にディスプレイが設置されている為、どちらの立場からでも操作がしやすい優れものです。
では、他社との具体的な違いは何なのでしょうか?
メリット
VISA・MasterCardの手数料が安い
まず、「stera pack」最大の魅力は、VISA・MasterCardの手数料が他社と比べて格安という点です。他社は最安で3.24%ですが、stera pack導入店舗の手数料は下記のようになります。
前年度売上 | 手数料 | |
---|---|---|
初年度 | ー | 2.80% |
2年目以降 | 250万円未満 | 2.90% |
500万円未満 | 2.80% | |
500万円以上 | 2.70% | |
※お試しプランの場合、月額3,300円の無料になる代わりに、VISA、MasterCardの手数料は一律3.25%になります。 |
損益分岐点の売上高はいくらなのか?
上記のように「stera pack」の手数料は1年目、そして2年目以降は前年売上高が高いほど手数料が低くなります。ですが、忘れてはならないのが月額料金が3,300円かかる事。では、他社の手数料を3.24%とした場合、steraがお得になる売上高の分岐点はいくらか計算してみましょう。
前年売上高 | ①stera手数料率 (手数料) | ②他社手数料率 (手数料) | ①-② (差額) | 損益分岐点 | |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | – | 2.80% (21,000円) | 3.24% (24,300円) | 0.44% (3,300円) | 750,000円 |
2年目 | 250万未満 | 2.90% (28,147円) | 3.24% (31,447円) | 0.34% (3,300円) | 970,588円 |
500万未満 | 2.80% (21,000円) | 3.24% (24,300円) | 0.44% (3,300円) | 750,000円 | |
500万以上 | 2.70% (16,500円) | 3.24% (19,800円) | 0.54% (3,300円) | 611,111円 |
1年目なら75万円以上。
2年目以降は、、、
- 2.9%なら970,588円以上
- 2.8%なら75万円以上
- 2.7%なら611,111円以上
の売上があれば、他社の手数料を3.24%とした場合の月額料金3,300円を取り戻すことができます。

2,8%で75万円、2.7%で611,111円しか売り上げが無い場合は、翌年の手数料が2.90%と高くなってしまいます。
ただ、あくまでもVISA、MasterCardのみの売上高ですし、お試しプランで申し込んだ場合、VISA、MasterCardの手数料は一律3.25%になるので注意が必要です。
JCBやAmerican Express、Diners Club、Discoverに対応
2021年10月より「stera pack」はJCB、American Express、Diners Club、Discoverへの対応を開始しました。
Square | JMSおまかせサービス | stera pack | |
---|---|---|---|
VISA | 3.25% | 3.24% | 2.7%~2.9% |
Master Card |
|||
JCB | 3.95% | 3.74% | 3.74% |
American Express | 3.25% | ||
Diners Club | 3.25% | ||
Discover Card |
|||
UnionPay | ー | 3.25% | 3.25% |
※Square・楽天ペイ・STORES決済・Times PayはUnionPayに非対応です。 |
アメックスやDiners Club、Discoverの手数料は標準的ですが、日本のシェア率97%を占める下記国際ブランドは全て最安水準と他社を圧倒しています。
- VISA:55%
- JCB:30%
- MasterCard:12%
QRコードシェアTOP5にも全て対応
2021年8月19日に放送された「ワールドビジネスサテライト」の情報によれば、QRコード決済の国内シェア率は『1位:PayPay、2位:楽天ペイ、3位:d払い、4位:LINE Pay、5位:au PAY』となります。
ブランド (シェア率) | Square | JMSおまかせサービス | stera pack |
---|---|---|---|
PayPay (54.3%) | 3.25% | 3.24% | 3.25% |
楽天ペイ (13.8%) | × | ||
d払い (13.0%) | × | ||
LINE Pay (10.3%) | × | ||
au PAY (8.6%) | × | ||
メルペイ | × | ||
ゆうちょPay | × | ||
ANA Pay | × | × | |
FamiPay | × | × | |
EPOS Pay | × | × | |
イオンペイ | × | × | × |
銀行Pay | × | 3.24% | × |
Payどん | × | × | |
WeChat Pay | × | 3.25% | |
ALIPAY | × | ||
atone | × | × | |
K PLUS | × | × | |
ギフティプレモPlus | × | × | |
pring | × | × | |
ララPay | × | × | |
Lu Vit Pay | × | × | |
※銀行Pay参加行は、OKI Pay(沖縄銀行)、こいPay(広島銀行)、はまPay(横浜銀行)、ほくほくPay(北海道・北陸銀行)、YOKA!Pay(熊本・十八親和・福岡銀行)等です。 |
ロール紙の追加発注が無料
また、ロール紙が無料提供される点でも他社を抜きんでています。この金額が意外とバカになりません。JMSおまかせSHOPの情報を元にすると、1ロールあたりで60回の決済が可能となります。ロール紙の代金は、、、
- Square Terminal:2,487円(1200決済=20巻×60回)
- VEGA3000:2,618円(600決済=10巻×60回)
- stera pack:0円
となります。
レシート出力の頻度にもよりますが、店舗によっては、これだけで元が取れるかもしれませんね。
おみせポケットを無料で使用可能
「stera pack」では、月額3,300円で下記機能を使用することができます。
機能 | 概要 |
---|---|
会員証の電子化 | 持ち忘れ・紛失を防ぎ、在庫管理や制作にかかるコストを削減できる。 |
スタンプカードの電子化 | オリジナルスタンプの発行機能により、貯める楽しみを顧客に提供できる。 |
クーポン発行 | 誕生日やスタンプ満了時等、様々な場面に応じたクーポンを発行できる。 |
イベント情報等のお知らせ機能 | ニュースやイベント等、指定した日付に表示できる。 |
プッシュ通知 | 情報を高い視認性で尚且つ、属性を限定して通知できる。 |
自動配信 | 条件にマッチした顧客に対し、クーポン・メッセージ・プッシュ通知・チケット・スタンプを自動配信できる。 |
配信属性 | 性別・年代・エリア等、さまざまな属性に合わせたマーケティングを行える。 |
顧客管理 | 性別やエリアだけでなく、来店履歴やスタンプ発行状況まで、プロフィールとして一元管理できる。 |
行動ログ | 顧客のアプリの使用状況を確認でき、分析に必要なデータを集約できる。 |
会員証やスタンプカードの電子化で店舗側の管理も不要になり、何度も足を運びたくなるようお得なイベントやクーポン情報等を、属性を搾って配信することもできます。更には、顧客の来店・利用状況等も管理できるので、今後の売り上げアップにつながる分析まで行えます。
これだけの機能を独自に用意するとなると、かなりの労力や費用が掛かるのは目に見えています。それが「stera pack」なら月額3,300円で利用できる点は大きな魅力です。
公式サイト stera pack(ステラパック)
デメリット
月額料金と3年以内の解約は違約金が発生
「stera pack」はTerminal端末1台につき月額3,300円が発生することは前述しましたが、その他にも発生する費用があります。それが違約金です。

2022年6月1日から2023年3月31日までに、stera packに新規契約された方に限り、解約申し出後45日以内に端末機を再利用可能な状態で返却いただくと解約違約金は免除になります。
実は「stera pack」には最低契約期間が3年あり、期間内に解約すると下記の違約金が発生するんです。他社は契約期間の縛りや違約金も発生しない点を考えると、躊躇してしまいますね。
利用期間 | 端末1台あたりの違約金 |
---|---|
申込月~13カ月目以内 | 88,000円 |
14~25ヵ月目以内 | 66,000円 |
26~37カ月目以内 | 44,000円 |
電子マネーの手数料が最安ではない
QRコード決済においては「stera pack」に分がありますが、電子マネーの決済手数料は、VISA・MasterCardを除くと一律3.25%です。「Square」より対応数は多く手数料も安いですが、最安ではありません。
Square | JMSおまかせサービス | stera pack | |
---|---|---|---|
nanaco | × | ※3.24% | 3.25% |
楽天Edy | × | ||
WAON | × | ||
Suica | 3.25% | 3.24% | |
PASMO | |||
Kitaca | |||
TOICA | |||
manaca | |||
ICOCA | |||
SUGOCA | |||
nimoca | |||
はやかけん | |||
iD | 3.75% | ||
QUICPay+ | |||
Apple Pay | × | × | |
※JMSおまかせサービスの中で、nanaco、楽天Edy、WAONに対応しているのは「VEGA3000」だけで「おてがるPay」は対象外です。 |
審査が長く申込できない店舗も多い
下記業種の店舗は「stera pack」の申し込みはできません。
また、他社の審査期間はどんなに長くても1ヶ月ですが「stera pack」は2週間~2カ月ほどかかります。
導入までに時間を要してしまうと、その間のキャッシュレス決済のお客様を見逃してしまう又は、非対応と認識されてしまう事になりかねないので、審査は早いに越したことはありませんね。

審査は各決済会社ごとに行われる為、一部ブランドのみ導入できない可能性もあります。それでも、月額料金3,300円は発生するので注意が必要です。
決済サービス | 提携企業 | 審査期間 |
---|---|---|
Square | ー | 最短翌日 |
JMSおまかせサービス | JCB、三菱UFJニコス、UCカード | 1か月程 |
stera pack | 三井住友カード、GMOペイメントゲートウェイ、ビザ・ワールドワイド・ジャパン | 2週間~2カ月程 |
stera terminalは光回線と電源・有線LANが必要
「stera terminal」は、店舗側・利用客側の両方にディスプレイが付いており、どちらからしても操作がしやすい高スペックな機能を有している反面、電源への常時接続が必須です。

「VEGA3000」や「Square Terminal」のように持ち運びができない為、テーブルでの決済ができません。
また、ADSLではなく光ファイバー。Wi-Fi(無線LAN)ではなく有線LANを推奨しています。ADSLに至っては、最近少なくなったので該当する店舗は少ないと思いますが、Wi-Fiでの使用が推奨されていないとなると、不便でなりませんね。
ただ、あくまでも推奨されていないだけで非対応ではありませんし、推奨環境もそこまで高くはありません。
stera marketを使用できるもPOSシステムは有料
「stera terminal」では、下記アプリを利用することができます。ただ、無料で使えるアプリはほとんどありません。他社POSレジとも連携ができない点を考えると、有料のPOSシステムを使うしか選択肢がないですね.。
アプリ | 金額 | 概要 |
---|---|---|
TrustSound Point Terminal | 個別見積 | 来店者にポイントやスタンプを付与するアプリ |
QR Order | 個別見積 | QRコードを読み取るだけで注文できるアプリ |
POS+retail | 個別見積 | POSレジシステム |
GiftPad QR | 無料 | ギフトコードの有効化、消込処理を行えるアプリ |
mPOS | 無料 | 「ANAのマイル」を積算できるアプリ |
POS+epaylink | 個別見積 | iOS版POSレジ「POS+」と「stera terminal」を繋ぐアプリ |
駐車場割引アプリ | 個別見積 | お買い上げ金額に応じた駐車場利用料の割引券を発行できるアプリ |
領収書アプリ | 500円 | stera terminalでインボイス対応の領収書を発行 |
C-Web アプリ | 無料 | ショッピングローンの申込ができるアプリ |
POS+food | 個別見積 | 多様な機能を実装したPOSシステム |
BASE Creator | 無料 | BASEの店舗の開設や管理を簡単にstera terminalでできるアプリ |
SmartDetax | 個別見積 | 導入実績No. 1の免税システム。 |
Sカメラ | 個別見積 | stera terminalのカメラで写真を撮影し、クラウドでデータを管理するサービス |
matoca | 個別見積 | 煩雑な受付業務をサポートする順番管理サービス |
Dentry byGMO steramarket | 4,950円/月 | 歯科向け予約システム |
グルメSNS【シンクロライフ】加盟店アプリ | 無料 | 累積25万件・登録店舗数10万店舗のグルメSNS「シンクロライフ」の飲食加盟店向けアプリ |
無料 | 店舗やビジネスの情報発信が可能 |
どんな店舗が導入すべき?
以上、「stera pack」のメリット・デメリットについてまとめてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
・VISA・MasterCard・JCBの手数料が安い ・QRコード決済のシェア率トップ5に対応 ・ロール紙の追加発注が無料 ・おみせポケットを無料で使用可能 | ・月額料金と3年以内の解約は違約金が発生 ・電子マネーの手数料が最安ではない ・審査が長く申込できない店舗も多い ・stera terminalは光回線と電源・LANケーブルが必要 ・stera marketを使用できるもPOSシステムは有料 |
「stera pack」は、月額料金3,300円や違約金が発生するというデメリットはありますが、VISA、MasterCard、JCBと国内シェア率トップ3の手数料が最安水準ですし、使用率が急拡大しているQRコード決済のシェアトップ3に対応と魅力が豊富です。
更に、レシート印刷に使用するロール紙も無料なので、店舗によってはこれだけで月額料金を取り戻すことができるかもしれません。
確かに、審査の時間が他社より長く申し込みできない店舗が多い点や、光回線と電源・LANケーブルが必須な面を考えるとハードルは高くなりますが、高額・高機能の端末を無料で手に入れられることを考えると導入の価値は十二分にあると思います。
公式サイト stera pack(ステラパック)

コメント
sterapackではなく、クレジット決済のみ利用する場合は、月額3,300円は不要で、手数料だけ発生するという認識なのですが、合ってますか?その場合、アプリの使用はできず、ロール紙は有償と認識しています。よろしくお願いいたします。
コメント頂きありがとうございます。
steraの契約形態は、「stera pack」、「stera terminal単体」、「stera mobile単体」のいずれかになり、ご質問頂いた月額料金・アプリの使用可否・ロール紙の有無等、違いを記事に追記しました。端末単体契約だと、月額料金が発生しない代わりに初期費用が10万円近くかかってしまうのがデメリットになりますね。
⇒stera terminalとstera mobileの違い